教育関連の資料置き場 2nd.blog

教育関連の資料置き場です

教育議論における縦軸と横軸 又は「都市と農村」と「上と下」

底辺校とは小中学であって、高校ではないようです。底辺校は確かにあって、いわゆる教育困難校です。

義務校(小中)でも教育に熱心な学校とそうでは学校があります。文教地区の学校は熱心なところで、アルマーニで有名になった小学校も多分、元はそういう学校だったのだと思います。都会では保護者は気にしていて、そういった学校に引っ越します(同じ地区でも道路一本で学校が変わるので結構気にしている)。最近は「底辺」地区にタワマンが建って、新裕福層とザ・下町が流れ込んでいく小学校があります。 

東京は特殊なところで、私立高校が一番になるところです。普通は古くからある旧制中学出身の高校が地元のナンバーワンになります。群馬は二つあるそうです(前橋と高崎)。

階級都市―格差が街を侵食する (ちくま新書)

階級都市―格差が街を侵食する (ちくま新書)

 

よくアンテナを張っているということを聞きますが、アンテナを張っていなる人は情報が引っかかるのですが、ない人はスルーされてしまいます。ですから物理的にある・なし以上に認識できる・できないの問題が大きいです。人は頭にイメージなり感覚なりが無いと物理的なものも認識できないです。これはトランプ現象でも明らかです。

東部と西海岸のリベラル勢力が中西部の人たちおよび同じ嗜好を持つ人、物理的には存在しても認識上は消えていた人たち、がトランプ現象の一部を生み出していました。

その世界にいるとそれが常識化してしまうという事例。

gendai.ismedia.jpと、元になったツイート

知らないものは選べないー"田舎"から東大へ進学した経験からの考察とその反応 - Togetter

この記事の話はかねがね同意できるのですが、議論の軸が複数混じり合って、読者に変な誤解を生みそうなので、教育に限って議論の土台となる指標を述べたいと思います。

今来産業向け

要点は図にすると以下のようになります。

f:id:geopolitics:20180425200719g:plain

記事の方は、主にDとAを対象にしているようです。B(地方の上位層)とC(都市の下位層)は含まれていないと思います。

大学全入化時代と呼ばれる現在においてもなお、教育年数に与える家庭環境の影響は大きく、高等教育進学費用の軽減等、機会の不平等を是正する政策が必要である。

https://www.rieti.go.jp/jp/publications/nts/13e097.html

都道府県別大学進学率。各県とも約40~50%だが東京が70%。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/042/.../08/.../1388715_05.pdf

東京でも知らない世界が塾歴社会。

学力の地域格差:教育格差の発生・解消に関する調査研究報告書 - ベネッセ教育総合研究所

 

縦と横

縦というのは偏差値だと思ってください。横は都市と地方です。まずは横から。

大枠は地方と東京の格差です。昔からいろいろな言い方で都市と田舎の差を言い表しています。

「田舎の三年、都の昼寝」

解釈はいろいろあると思いますが、ここでは都市の方が田舎より時間の流れも何もかも速いと言うことです。それだけ進歩のスピードが速い。

都市と田舎はそれだけ違うということです。早い話が地方と都市の文化資本の差。上野の森(JR上野駅付近)の豊かさとそれを理解する都民です。

(その話はこちら。2018年映画化するようです。)

ここは退屈迎えに来て (幻冬舎文庫)

ここは退屈迎えに来て (幻冬舎文庫)

 

以前あった話

fuhouse.hatenablog.com

以前聞いた話に、村一番の秀才(神童)が大学進学を機に東京に来て、隣の人たちが哲学(確かカント)について話しているのを聞いて驚いたというのがあります。自分はただ勉強ができただけだと。隣の大学生は東京の私立一貫校出身。文化資本の差を感じたと。

東京の大学進学率が7割(全国平均5割)というのは、明らかに突出しています。さらに中学受験は、全国平均1割で東京は3割です。

大学進学率全国平均52%を超えているのは10都道府県。道である北海道は42.8%

学校基本調査から見える進学動向―38県で地元大学進学率50%以下 | 高大接続改革を知る | Between情報サイト

横格差の解消

かつて日本は教育でその格差がありました。それをなんとかして平等にしようとしたのが当時の文部官僚です。

以下、その話とその予期せぬ結果=教育の画一化のお話です。

教育と平等―大衆教育社会はいかに生成したか (中公新書)

教育と平等―大衆教育社会はいかに生成したか (中公新書)

 

そういえばドラゴン桜』が一時期地方出身の受験生を増やしたことがありました。 東大入学者の8割は東京近辺です。自宅(実家)から通学範囲ということになります。

縦(東京内格差など)

縦は同じ地域の階層です。一番わかりやすいのが偏差値で、偏差値ごとに見えている世界が違います。だから指摘されているように、釧路に本屋がある・なしは関係ありませんあった方がいいけど読む習慣が無い家庭に本屋はあっても見えないのです(受験参考書の棚は見ない)。東京にある大型書店がいくつあっても本を読まない東京人はいます。それが家庭環境の差です。コメント欄にあった物理的距離では無く文化的距離です。以前はてな界隈で有名になったコンビニ店長がそのような話をしていました。環境の差は思った以上に大きいです。

親の反応

親はせいぜい子供の優秀さをなんとなく喜ぶ程度で、大学進学などという発想はいちども脳裏をよぎることがなく、高校の終盤に先生から打診されてはじめてその可能性を知り、やっとのことで「『大学』って……どこにあるんですか?」と反応するといったありさまだ。

もう古い本ですが、つまり格差はあってそれが固定化しているという話です。

学力と階層 (朝日文庫)

学力と階層 (朝日文庫)

 
進学格差―深刻化する教育費負担 (ちくま新書)

進学格差―深刻化する教育費負担 (ちくま新書)

 

この本『学歴分断社会』が一番手っ取り早く縦の関係(というか断層)がわかります。

学歴分断社会 (ちくま新書)

学歴分断社会 (ちくま新書)

 

「田舎育ちだと教育や文化に触れられず大学に行く選択肢が与えられない」という記事に対して同意や疑問の声 - Togetter

書かれている特徴的な話に立派な図書館だけど誰も利用していないという話が示唆的です。道具ではなく、人を媒介にしたルート、断定的言えば人脈です。

gendai.ismedia.jp

www.buzzfeed.com

まとめ

記事にある話の筋は大枠で正しいと思います。だた軸が重なっているので(都市と農村、高学歴家庭と低学歴家庭)、話が難しくなっているのだと思います。

さらに地方のトップ校と東京のトップ校=ほぼ私立一貫校の親を含めた認識の違いというのもあるそうです。地方と言っても関東圏のトップ校の話です。

たとえば、書店には本も揃っていないし、大学や美術館も近くにない。田舎者は「金がないから諦める」のではなく、教育や文化に金を使うという発想そのものが不在なのだ。見たことがないから知らないのである

「底辺校」出身の田舎者が、東大に入って絶望した理由(阿部 幸大) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)

こういう話をすると、かならず「いまはインターネットで教育が受けられる」という反応がある。だがこれは、くりかえすが、機会の問題ではなく想像力の問題なのだ。田舎ではそのような発想じたいが不可能なのである。

地方では大学では無く出身高校が重要です。大学名より地元のトップ校。

さらにある男女の格差

以前某県知事が女子に三角関数は要らないと言ったことがあります。これが、少なくとも田舎におけるわかりやすい男女格差です。

学校の先生に女性が少ないので、女子生徒のロールモデル(勉強する女子生徒のお手本)になりにくいというのがあります。

wezz-y.com

最近の本でおすすめはこちら。

真に格差のある情報は、情報に付随するメタ情報な。進学の機会だの受験情報だのではなく、実際に進学により成功した人の存在こそが意味のある情報で、この情報とはつまり人間のことなの。オンラインには乗らない。

はてなブックマーク - 「底辺校」出身の田舎者が、東大に入って絶望した理由(阿部 幸大) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)

平田オリザ氏基調講演「文化の公共性を問う~なぜ今、地域に文化が必要なのか」/滋賀県

その話以前からある

anond.hatelabo.jp

http://d.hatena.ne.jp/potato_gnocchi/20130809

アメリカ版

 

階級「断絶」社会アメリカ: 新上流と新下流の出現

階級「断絶」社会アメリカ: 新上流と新下流の出現

 

gigazine.net

『東大に入って絶望した田舎者』阿部幸大氏のウソを元「底辺校」教員が指摘 - Togetter

まさにこれ(強調引用者付記)。

田舎の底辺層だったら、大学や博物館や美術館があろうと、そりゃその辺に生えてる草木以上に意味はない、って言いたいわけでしょ。あってるじゃん。

 

 

 

役所の手続きはなぜ煩雑か 安室奈美恵コンサートのダフ屋対策と同じ不正摘発コスト

はてなのコメントに安室奈美恵のコンサートを評してこうやって役所はコスト(手続きが煩雑)がかかるようになるとあった。

はてなブックマーク - 安室奈美恵ラストドームツアーで全来場者に本人確認実施→入れない人続出も「他アーティストも続いてほしい」の声 - Togetter

不正を防止しようとすると不正側だけでなく、正規側にも負担がかかる。ゼロに近づけると正規側が大変なことになる。これはドーピング検査と同じである。

ドーピング検査をするとグレーの部分が出てきてしまう。このグレーを小さくしようとすると偽判定を許容することになる。するとドーピングをしていないのに陽性反応が出てしまう。よってそれはできないのでグレーはある程度認めないとならない。

日本の場合はグレー部分を減らそうと相当なコストと被害がでる。よって役所は規制が厳しいとたたかれ、反対に甘くしてもたたかれるという二重の拘束を受けることになる。

 

役所はなぜ規制したがるか→国民が望むから

 

官僚はなぜ規制したがるのか: レッド・テープの理由と実態

官僚はなぜ規制したがるのか: レッド・テープの理由と実態

 

もとの話はこちらです。

togetter.com

https://ticket.tickebo.jp/pc/namieamuro2018-trade/

不正摘発コストは妥当かという議論に行く。日本はミスを許さないので異常に摘発コストが上がる。

学区を買う保護者 学区を売る学校

例のアルマーニ小学校は学区を買うの対応です。学校も競争しなければなりません。黒髪強制でもめた大阪や東京も同じ理屈です。

togetter.com学校自体を改革すべきという意見もありますが、勉強を改善といってもものすごく高いので日本ではぜいたく品になります。そして実行するにはお金以外に生徒の質がものを言います。

gendai.ismedia.jp

親の年収と子供の学力(学歴)は相関するという前提がわからないと上記の記事は読めないです。

gigazine.net

synodos.jp

日本の公教育 - 学力・コスト・民主主義 (中公新書)

日本の公教育 - 学力・コスト・民主主義 (中公新書)

 

 

学歴分断社会 (ちくま新書)

学歴分断社会 (ちくま新書)

 

アメリカの話は教育関係の人ならそれなりに知っている話題で、いい学校(公立校。アメリカは高校まで義務教育)は基本的に土地の値段が高いです。それから、その上に教育税がかかるので、当のアメリカ人も子供が卒業したら引っ越すそうです。そういうことを前提にしているので日本に持ち込むとおかしなことになるのです。

 

分断されるアメリカの話はこちらの本で書かれています。 

階級「断絶」社会アメリカ: 新上流と新下流の出現

階級「断絶」社会アメリカ: 新上流と新下流の出現

 

 日本の場合もそうなっているところがあるので、保育園の空きの次はこの手の学区話になると思います。某神奈川県の某地区の某小学校はまさに公立の私立学校のようになっているそうで、中学受験率が5割だそうです。全国平均が1割、東京でも3割なので、どのくらい異常かわかると思います。

日本の話はこちらで。翻訳本より内容が少しずれますが手軽に読めると思います。

階級都市―格差が街を侵食する (ちくま新書)

階級都市―格差が街を侵食する (ちくま新書)

 

gigazine.net

日本の平等教育は文部官僚が頑張って地域差が出ないようにした。しかし予算が少ないため、教育は意図せず画一化せざるを得ないようになった。単品の方が効率がいい。

その話はこちらの本に書かれています。お気楽に読めるような本ではなく新書ですが専門書です。

教育と平等―大衆教育社会はいかに生成したか (中公新書)

教育と平等―大衆教育社会はいかに生成したか (中公新書)

 
進学格差―深刻化する教育費負担 (ちくま新書)

進学格差―深刻化する教育費負担 (ちくま新書)

 

gendai.ismedia.jp

 

「東京DEEP案内」が選ぶ 首都圏住みたくない街

「東京DEEP案内」が選ぶ 首都圏住みたくない街

 

学校選択制を推奨、同州の民間のチャータースクールの利用のを推し進めました。多くの教育者たちは、ミシガン州でのデボスの政策の結果は散々なものだったと述べています。 

http://democracynow.jp/node/12750

 

www.asahi.com

「当然だ」と答えた人は9・7%で、2013年の前回調査の6・3%から3ポイント以上増えた。

4500万件の納税記録の分析により億万長者は税金を高くしても引っ越ししないことが判明 - GIGAZINE

 

 

 

中学校は小学校の三倍危険

統計を読むと一千人あたりの件数で1:3の比率の様です(公立限定)。

暴力事件は約1万6千件(小)と約3万2千件(中)だが、1000人あたりに直すと2.6:10.0です。(P.6 2.暴力行為)

生徒間暴力は1万件対2万件。一千人あたりに直すと1.7:6.0になる。(P.10)

加害児童数(小1~高3まで)で見ると中2中1中3の順番で多いです。中学3年分で小学校6年分の二倍を稼いでいます。高校生各学年は小学校高学年(5.6年生の各学年)と同等か少ないです。(P.12)

警察まで行った件数で見ると1:10ですね。例として補導では76:800(公立校)です。

出席停止の場合

f:id:geopolitics:20180205163256p:plain

中学校はそれだけストレス下にあるということです。

 

出典

平成27年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」(速報値)について

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/28/10/__icsFiles/afieldfile/2016/10/27/1378692_001.pdf

学力テスト公表がヤバイわけ 「学区を買う」合法的な隔離政策

学区は買う時代へ

多様性は嘘で、実際は似たもの同士が集まるというのがまず前提です。

 

学力テストを公表する理由

アメリカは学力テストの結果を公表しています。なぜするのかというと、からくりがあるからです。どういうものかというと不動産税と学校の財政がリンクするシステムを採用しているからです。つまりお金持ちの住む地域にお金をかけた良い学校を作っているからです。これがあるから学校間競争が意味を持つのです。その結果どうなるかというと不動産価格の上昇によって貧困層がその地域から離脱するのです。

アメリカの場合がよくまとめられています。

togetter.com

各学区は、選挙を行い教育委員会のメンバーを選んでいる。この教育委員会は徴税権を持っており、主に固定資産税を通じてその学区の教育予算を確保している。

日本人が大好きな「ハーバード式・シリコンバレー式教育」の歪みと闇(畠山 勝太) | 現代ビジネス | 講談社(2/5)

富裕層が多く住む学区の教員の平均給与は、貧困層が多く住む学区の教員のそれの3倍近い値となっている。

日本人が大好きな「ハーバード式・シリコンバレー式教育」の歪みと闇(畠山 勝太) | 現代ビジネス | 講談社(2/5)

引用した部分の詳しい話は、こちらの本を読むとよくわかります。 

階級「断絶」社会アメリカ: 新上流と新下流の出現

階級「断絶」社会アメリカ: 新上流と新下流の出現

 

 

ちなみにアメリカ人もやはり不動産税は高いようで、子供の卒業と同時に引っ越すそうです。

 

崩壊するアメリカの公教育――日本への警告

崩壊するアメリカの公教育――日本への警告

 

 

ここだけは真似しちゃいけない!アメリカの教育格差 | こたえのない学校

日本はそういうシステムはありません。それでも豊かな地域=固定資産税が高いは設備がいいですけど。地方財政がきついところは教育費がかけられません。

日本で学力テストの結果を学校別で公表した場合、儲かるのは不動産屋です。実際は周辺住民の年収を見ればほぼわかると思いますけど。これは苅谷先生がすでに日本は格差固定化(教育学なので学力の階層化)していると90年代に言われていたことです。

それはこの本です。

大衆教育社会のゆくえ―学歴主義と平等神話の戦後史 (中公新書)

大衆教育社会のゆくえ―学歴主義と平等神話の戦後史 (中公新書)

 

新書ですが中身は専門書と同等なので読むのが大変だと思います。

学区を買うという指摘は正しいです。地域住民が重要なファクターです。学力を公表したらヤバイ地域というのが公式に認定されてしまうでしょうね。

 

synodos.jp

階級都市―格差が街を侵食する (ちくま新書)

階級都市―格差が街を侵食する (ちくま新書)

 

 そういえば格差解消を高校でやって壮大に失敗した例がありますね。

学校群制度 - Wikipedia

東京都では、学校群制度導入の必然(学校群内各校の学力が均等になるように合格者を割り振るため)として、東大合格者数1位を記録していた日比谷をはじめ西、戸山、新宿、小石川、両国、小山台、上野などの名門都立高校の東京大学をはじめとする難関大学への進学実績が低下し、特に日比谷では急速かつ極端に落ち込んだ。一方で、名門都立高校と同じ学校群を構成した青山、富士、国立などの進学実績は急速に上昇した。この制度導入以降、都立高校全体の難関大学進学実績は長期低落に向かった。

日本でも学区を買う時代へ(アルマーニ校長)

実際文教地区は選んで住む人が多いですが、ここまで露骨(わかりやすい)にやった例はないと思います。

www.huffingtonpost.jp

公立校の弱点はお客(児童生徒)を選べないことなので、その弱点を克服しようとする試みだと思います。残念ですがお金を出す親はいると思います。

『階級都市』に道路を一本挟んで天国と地獄というようなことが(作者は意図してませんが)匂わすように書かれています。

同小学校は、中央区「特認校」の一つだ。銀座5丁目という繁華街の一角に校舎があり、今年で140周年を迎える。本来なら、公立学校は指定された通学区域に住む子どもが通うが、商業地域で住んでいる子どもが少ないなどの事情がある「特認校」は、区内全域から児童を受け入れている。

強調引用者付記

特殊な地域という条件付きですが、お客(児童)の選別が始まっていますね。

なぜアルマーニ監修の標準服に? 泰明小校長は、こう保護者に説明した(全文)

イギリスのパブリックスクールにしたいのかな。校長が親に説教したくなるのはたぶんあるあるネタだと思うので、そこは非難しなくてもいい。事件事故は校長やその周辺の対応で、現場はとても忙しいので子供を選別したくなるのもわかる。

アルマーニ導入の小学校、シャネルやエルメスにも打診:朝日新聞デジタル

想像通り学区を買うでしたね。

www.yutorism.jp

元々名門校だったが隣の小学校に人気が出てきて凋落傾向だったので打開策としてアルマーニにしたと。自称進学校の強制的に勉強させたり上位の人の複数校受験と同じ現象ですね。

toyokeizai.net

gigazine.net

 

日本人が大好きな「ハーバード式・シリコンバレー式教育」の歪みと闇(畠山 勝太) | 現代ビジネス | 講談社(1/5)

制服の意味

公立学校が標準服を設けるのは、私服で家庭の経済的な格差があらわれてしまうのを避けるためです。文科省内に取り決めがあるわけではないが、常識的にそうなっている。公立だから贅沢じゃないほうに全体を合わせるということです。

「アルマーニ騒動」泰明小の入学式出席を拒否された児童の父親が告白(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)

しかし、何よりも決定的に違うのは豊かさである。日本の世帯所得の中央値は約37800ドルであるが、これは全米で最も貧しい州であるミシシッピよりも低い。

日本人が大好きな「ハーバード式・シリコンバレー式教育」の歪みと闇(畠山 勝太) | 現代ビジネス | 講談社(4/5)

学区を守る

www.asahi.com

地元の二つの自治会が山県市に出した陳情書には、施設建設反対の理由の一つに「生活環境や地域住民だけでなく、学校や子どもたちにも著しい影響を与えると懸念」とあった。「中学校が『荒れた』過去があり、また起こる心配がある」と取材に語る男性もいた。

保育園建設でも反対運動があったりする。どかにあったはてなのコメント欄で知ったのですが、海外だと地下鉄ができると地価が下がるので反対運動が起きるそうです。ドラマか映画での話の話だそうですが、あちらの脚本はよく調べているのでたぶん真実に近いと思います。理由は地下鉄を使う貧困者が町にやってくるからかもしれません。アメリカは郊外から車通勤かどうかがポイントなんでしょう。

アルマーニ校長は国民の意識

www.asahi.com

教育格差について「当然だ」「やむをえない」と答えた人は62・3%となり、4回の調査で初めて6割を超えた。

美しき英国パブリック・スクール

美しき英国パブリック・スクール

 
自由と規律―イギリスの学校生活 (岩波新書)

自由と規律―イギリスの学校生活 (岩波新書)

 

 

階級「断絶」社会アメリカ: 新上流と新下流の出現

階級「断絶」社会アメリカ: 新上流と新下流の出現

 

元グーグルのデータサイエンティストが発見! 成功者の意外な共通点とは | BUSINESS INSIDER JAPAN

年収は「住むところ」で決まる  雇用とイノベーションの都市経済学

年収は「住むところ」で決まる 雇用とイノベーションの都市経済学

 

【写真】まるでハリー・ポッターの世界。英国紳士を育てる「パブリック・スクール」の学園生活

 

「東京DEEP案内」が選ぶ 首都圏住みたくない街

「東京DEEP案内」が選ぶ 首都圏住みたくない街

 

 

 

教育関連の良書

どこかで書いた気がするが再掲ということで。

部分的な話は出ているので、全体を総括できるものを書いていきたいと思います。まあ話の前提ですね。

 

科学の発見

科学の発見

 

 

 

物事は歴史の積み重ね

一般的に系統学習と問題解決学習(児童中心主義)という二系統があります。後者はアメリカの思想(プラグマティズム)が反映されています。

ゆとり教育の本質

ちなみにゆとり教育の本質は系統学習から問題解決学習(児童中心主義)への移行です。

系統学習

系統学習の典型は、明治末期から1933年(昭和8年)頃にかけて展開された。その後第二次世界大戦が終わり、アメリカの新教育が導入され、それを背景として経験主義的な問題解決学習が流行となった。しかし、1958年(昭和33年)頃から子どもの学力低下を背景に、安易な児童中心主義として問題解決学習が批判され、系統学習が見直されるようになってきた。

系統学習 - Wikipedia

問題解決学習

アメリカの教育学者のジョン・デューイの学習理論。学習を能動的なものと規定し、知識の暗記にみられる受動的なものを脱却し、自ら問題を発見し解決していく能力を身につけていくことに本質をもとめた。

問題解決学習 - Wikipedia

科目としては総合的な学習ですね。結果が示すように日本は失敗?しています。なぜ失敗したかは以下の本で。

 

教育改革の幻想 (ちくま新書)

教育改革の幻想 (ちくま新書)

 

アクティブラーニングも本質的に言えば児童中心主義(問題解決学習)と思われます。だからこそ上記の本はまだ価値を失っていないと思います。

文部科学省は、大学教育改革のためにアクティブ・ラーニングを推奨しており、その一環として課題解決型学習をあげている

問題解決学習 - Wikipedia

 

 

実害が出るのは2020年の大学入試だと思います。ただこの分野の決定版がまだないと思います。ゆとり(2002)に関しては苅谷先生が前年(2001)に出しておりました。

だから、2020年大学入試改革は失敗する――ゆとり世代が警告する高大接続入試の矛盾と落とし穴

ゆとり教育は終わっていないのです。

日本の教育制度史

貧乏な日本がいかにして教育を(地方に)普及させたかという話。学校の先生の給与の一部は国が出しているわけですね。ただ数年前、減額されて地方財政と地方教育行政のリンク度が高まってしまいますけど。

 

教育と平等―大衆教育社会はいかに生成したか (中公新書)

教育と平等―大衆教育社会はいかに生成したか (中公新書)

 

 

外せないのが現・文科省というお役所。実は理想の日本人という問題で、省の外に影響された官庁です。三流官庁の悲哀です。

文部省の研究 「理想の日本人像」を求めた百五十年 (文春新書)
 

 

そして一体なんの意味があるのか教育委員会。行政の民主化、つまり戦後のGHQ改革から始まる行政改革民主化)としての教育。

 

教育委員会――何が問題か (岩波新書)

教育委員会――何が問題か (岩波新書)

 

そもそもなぜ公的教育費が少ないのか。つまり私費依存度が高く格差を生む原因でもあります。

公務員(先生=教育公務員)も少ないという問題もあるのですが割愛します。

 

日本の公教育 - 学力・コスト・民主主義 (中公新書)

日本の公教育 - 学力・コスト・民主主義 (中公新書)

 

 

 

日本初の大学は東大(東京帝國大学)である。そして世界初の工学部も東大である。その意味は?

慶応大の方が先ですが当時大学と認められていないため、名目上は東大が先です。実質は慶応だそうですが。

 

大学の誕生〈上〉帝国大学の時代 (中公新書)

大学の誕生〈上〉帝国大学の時代 (中公新書)

 

 大学史はおまけなので読まなくとも大丈夫です。

学力と家庭(地域)

学力とは何か?を考える上で前提となる社会調査。これを読んでいれば教育改革が成功するか失敗するかがわかります。現時点では外れしかやっていないと思います。AIの研究者も言ってましたが、先にやるべきことがあるんです。

 

大衆教育社会のゆくえ―学歴主義と平等神話の戦後史 (中公新書)

大衆教育社会のゆくえ―学歴主義と平等神話の戦後史 (中公新書)

 

 

そのアップデート版。大衆教育社会のゆくえ―学歴主義と平等神話の戦後史 (中公新書)は、資料の連続なのでハッキリ言って眠くなります。なのでお手軽な方はこちらです。

 

学力と階層 (朝日文庫)

学力と階層 (朝日文庫)

 

 学力調査

ゆとり前、ゆとり、ゆとり後です。

調査報告 「学力格差」の実態 (岩波ブックレット)

調査報告 「学力格差」の実態 (岩波ブックレット)

 

科目のお話

似た問題として英語があります。なぜ英語を話せないかはカリキュラムとか時間とかありますが、それは学校内の話で、学校外の話はこちらです。『学力と階層』とほぼ同じ認識です。

 

「日本人と英語」の社会学 −−なぜ英語教育論は誤解だらけなのか

「日本人と英語」の社会学 −−なぜ英語教育論は誤解だらけなのか

 

私立中で英語受験をやるようですが階層が反映されるのでそれほど変わらない気がします。

私立中学、英語の入試が急増 首都圏・近畿圏の3割:朝日新聞デジタル

英語の入試を導入する私立中学校が急増し、今年は首都圏と近畿圏の約3割に当たる137校で行われる(実施済み含む)ことが分かった。

 

 

もっと言うと英語というより日本人の世界認識が翻訳しても通じないという問題があります。物事のとらえ方が違うので翻訳しても伝わりにくいのだと思います。彼らの考え方はもう少しロジック重視です。というよりその部分しか通じないと思います。「明確でないものはフランス語ではない」と言いますが、実際はフランス人は明瞭に話すことを努力しているから明瞭なのだということです。

国語の先生が外国で授業をしたら(通訳を介して)、外国の子供がチンプンカンプンだったという事例があります。物事の把握が全く違うということです。

ということで日米比較です。実は欧米でもフランスとアメリカは違います。

6号:日米仏の思考表現スタイルを比較する

 

納得の構造―日米初等教育に見る思考表現のスタイル

納得の構造―日米初等教育に見る思考表現のスタイル

 

 

では、日本の国語は何をやっているのか?

 国語は道徳だという話です。

国語教科書の思想 (ちくま新書)

国語教科書の思想 (ちくま新書)

 

 

 

「国語」の近代史―帝国日本と国語学者たち (中公新書)
 

 

 

「学力」の経済学

「学力」の経済学

 

 

学校の不思議

集団化を目的とした教育。学校の嫌な感じは意図的ですね。

人間形成の日米比較―かくれたカリキュラム (中公新書)

人間形成の日米比較―かくれたカリキュラム (中公新書)

 

とりわけ摩擦の一因ともなったいる“個と集団”への意識はなぜ異なるのか。子供観の検討、初等教育の比較から、著者は集団への同調行動の二つのモデルを見出す。

「日本は集団主義」というのは神話であると日米比較(社会心理学)で明らかになっています。

それはこちらです。何分古いので、同じ著者の新しい方をがいいかもしれません。

安心社会から信頼社会へ―日本型システムの行方 (中公新書)

安心社会から信頼社会へ―日本型システムの行方 (中公新書)

 

 

滝山コミューン一九七四 (講談社文庫)

滝山コミューン一九七四 (講談社文庫)

 

 

 

「家族」と「幸福」の戦後史 (講談社現代新書)

「家族」と「幸福」の戦後史 (講談社現代新書)

 

 

 

 

おまけ

 

イギリスのいい子日本のいい子―自己主張とがまんの教育学 (中公新書)

イギリスのいい子日本のいい子―自己主張とがまんの教育学 (中公新書)

 

 

 

マシュマロ・テスト――成功する子・しない子 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

マシュマロ・テスト――成功する子・しない子 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

 

成功する子 失敗する子――何が「その後の人生」を決めるのか

成功する子 失敗する子――何が「その後の人生」を決めるのか

 

 

 

後半…があれば

海外発の教育は必ず失敗する~改革のつまみ食い問題~

なぜ海外流の教育は失敗するのか 西洋文化と日本文化の違いと日本人の原則

主体なき個(孤)の問題

予告編として『日本の思想』

 

日本の思想 (岩波新書)

日本の思想 (岩波新書)

 

なぜ思想かというとその精神がすべてのバックボーンになっているからです。アメリカ独自の思想、プラグマティズムが教育にも影響を与えているように(ジョン・デューイ)。日本人とそれ以外の知識の蓄え方が違うのです。ちなみに中国は欧米よりの様です。

 

日本人の法意識 (岩波新書 青版A-43)

日本人の法意識 (岩波新書 青版A-43)

 

 

 

PCのお供に良いキーボードを 

 

教科書が難解な理由 本の値段は厚さで決まる

本というのは紙の枚数で値段が決まるそうで、例えば新書だと1000円以下にするために250枚くらいに抑えるらしい。特殊な本以外は一冊当たりの編集出版コストが同じで、発行部数も同じと仮定すると値段は紙をどのくらい使うかで決まるというカラクリだそうです。

アメリカの教科書は分厚く重いので、電子化のメリットがある。

電子教科書を導入する前に読むべき、子供とはものを壊す存在であるという現実。

gigazine.net

bto-pc.jp

重版出来! 1 (ビッグコミックス)

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以前、ある人が原稿を書いたが多すぎて削って出版したと語っていた。理由はもちろん上記の通り。だから歴史ものを書いたとき、泣く泣く削って近代に近い方を削ったとか。

削った原稿を戻したのがこちら。ただし800円台。当時の新書は700円台なので厚さ100円分削ったのかな。

中国の大盗賊・完全版 (講談社現代新書)

中国の大盗賊・完全版 (講談社現代新書)

 

 

入試科目である世界史B、日本史Bの主な教科書の用語数は1950年代の3倍近くに増え、学校の授業の時間内では教科書が全然終わらない。

龍馬・松陰より「理系が食いつく用語」を 歴史教科書案:朝日新聞デジタル

体重の半分近くの重さのランドセルを背負っている子どもまで…なぜ、教科書を学校に置いていってはいけないのか? - Togetter

 

教育と平等―大衆教育社会はいかに生成したか (中公新書)

教育と平等―大衆教育社会はいかに生成したか (中公新書)

 

 

 

世界で一番美しい元素図鑑

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